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美貴太夫のないしょ話し

清元美貴太夫

清元宗家高輪派太夫。歌舞伎や舞踊会で地方を勤める傍ら、花柳界のお座敷文化を伝え広げる活動も。神楽坂生まれの神楽坂育ち。

皆様はじめまして。美貴太夫と申します。この1年美貴太夫のないしょ話しとして神楽坂や花柳界の事、清元等芸事に関する事を面白いエピソードなどつづりながらコラムを書いていきたいと思います。
お付き合いの程よろしくお願いいたします。

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第8回 北州(後篇)

北州の歌詞より 山鳥の尾の酉の市いもがり行けば千鳥足

早いもので今年も11月。東京の風物詩である酉の市の時記ですね。美貴太夫も毎年欠かさず熊手を求めに出向いております。

仲之町芸者 カッポンポンと言われる鼓と太鼓を1人で打ち分ける仲之町芸者独特の芸

今回は北州の後編、吉原仲之町芸者と幇間のお話を。吉原の大門をくぐると仲之町というメインストリート、左右に引手茶屋が軒をつらね、その引手茶屋のお座敷へ呼ばれるのが仲之町芸者や幇間でした。引手茶屋というのは大見世に登楼するお客様の持待をし、大見世まで送り届けるのを生業とし、平均して3、4部屋で小造りな床の間や違い棚、折りたたみをうまく利用した什器類の収納など狭い場所が無駄なく使えるようになっていて、実にこじんまりした建物でした。
花魁が匂うような牡丹なら仲之町芸者は凛とした竹だったと言われるように、お化粧も控えめで着物も地味だったのは花魁を引き立てるためで、「芸を磨いてこられたのは花魁さんたちのおかげ」とよく言っていたそう。お客様にとって花魁は一夜の奥さまですから、仲之町芸者は下座で花魁が上座に座ったそうです。芸に厳しい仲之町芸者になるのは芸事が好きな人、小さい頃から芸事に親しんでいて、芸で身を立てたいという娘さんが家族の反対を押し切ってでもなりたいという人が多かったそうです。晴れて仲之町芸者になるには試験があり、先輩の大きい姐さん方が試験官で、三味線、太鼓、小鼓、唄、踊りの他、行儀作法や口のきき方などもテストされ、それに通って初めて仲之町芸者として認められたとの事。一人前になってからも芸事の稽古は厳しく、吉原は朝が遅いので稽古が始まるのが午前11時で午後の3時までびっしり、365日休みなしだったそうです。
仲之町芸者の芸に対する厳しさや誇りは大変だったそうですが、幇間が芸に持つ誇りや厳しさには又それ以上のものがあったそうで、それがなければ幇間としての立場が許さなかったんでしょうね。一見物知らず、ぼんやり者、おっちょこちょい…そのくせ頭の回転がビックリする程早く、崩れているようでビシッと締まっている。その正反対なものの微妙なバランスがなんとも言えない可笑しみと色気を幇間は見せていたと言います。
「吉原は寝に行く所、寝ぬ所」という言葉があるように、引手茶屋のお座敷でドンチャン騒ぎをして居続けをして…なんてお客様も多く、お1人だけ残り芸者や幇間相手に唄ったり飲んだりおしゃべりしたり、朝になるとちょっと寝てお昼を食べて又昼寝…なんておおらかな時代で、お客様が寝ている間に芸者や幇間はお風呂へ行ったり稽古へ行ったり、本当にすごい時代です(笑)。

吉原花魁と禿 吉原と島原では装いがかなり違います 島原太夫と禿

東京の吉原に対し、京都には島原遊郭がありました。現在の京都市下京区西新屋敷のあたり、吉原の大門があったように島原には現在も大門が残り、1867年(江戸時代の最終年)に建てられたもので京都市登録有形文化財となっています。江戸時代は揚屋(花魁をお座敷へ呼んで遊ぶ所)で昭和の時代まで揚屋(お座敷のみの貸席、料理人や板前は在籍していなくて料理は仕出し屋や料理屋から出前してもらう。花柳界ではお茶屋と呼ぶのが一般的)として営業していた角屋(すみや)が『角屋もてなしの文化美術館』として一般開放されています(夏季、冬季と休館期があります)。ちなみにこの貴重な絵葉書は大正期、角屋の庭にて撮影されたものらしいです。吉原の花魁とは違い、島原では太夫(たゆう、こったい)と呼び、髪型、櫛やかんざしの差し方も違います。一番大きな違いは帯の締め方…吉原は道中の時末広がりで富士山のようなまな板帯、島原は心という字に締めています。三枚歯の高下駄で練り歩く道中の歩き方も、吉原は外八文字で足を大きく外へ回し歩みを大胆に進めるのに対し、島原では内八文字で足を一度内へふんでからしとやかに歩みを進めます。太夫の前にいる子供たちは禿(かむろ)。太夫のお付きで身のまわりのお手伝い係で将来の太夫候補生です。東京と京都、土地が違えば文化や風俗もだいぶ違いますね。

お知らせ

久しぶりに小唄の会へ出演いたします。演目は十六夜清心(いざよいせいしん)…花魁と僧侶の悲恋物。元々清元の名曲ですが、小唄は良い所取りをして短くまとまった曲で、美貴太夫が花魁十六夜と僧侶清心二役のセリフを語ります。

2018年11月17日(土)春日とよ和乙子会、三越劇場にて
美貴太夫の出番は午後4時くらい5分くらいの曲です。

仲良しの赤坂芸者よし子姐さん(春日とよ和乙子)の会で、小唄の師匠として見台開きして5周年の記念会です。
赤坂のお姐さん方も多数出演、最後には踊りの演目もあり、とても華やかな会で入場無料です。終演午後6時30分予定。お時間ございましたら是非。

今回のお店紹介は酉の市の熊手屋さん。吉原にほど近い鷲神社の酉の市に出店しているよし田屋さんです。今は日本で唯一の手作り。熊手が宝船になっていてとても縁起が良いです。他の熊手屋さんにしたらちょっと高いかもしれませんが商売繁盛、ケチったらいけません。大きさもさまざまですが、ご贔屓の多いお店なので、三の酉(今年2018年は三の酉まであります)に行ったら完売御礼かも。すべてがご自分の所で手作りなさっているので七福神の表情も全く違います。鷲神社の鳥居をくぐった左手にありますのですぐ発見出来ると思います。
美貴太夫も若い頃からご贔屓さんに連れられ、よし田屋さんで熊手を…となりました。皆さんも酉の市へ出掛けられたらご自身に合う熊手をよし田屋さんに限らず見つけてくださいネ。

『酉の市』 浅草千束 鷲神社
住所 東京都台東区千束3-18-7
電話 03-3878-0010
HP http://www.otorisama.or.jp/kotoshi.html

ホームページがありますので詳しい日程等ご覧になってください。
酉の市は新宿花園神社も有名です。

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