砂糖菓子のような手ぼかし小紋

引き染めの技法を使い、淡い色で染め上げた手ぼかしの小紋。ふんわりとして、ほんの少し甘さを感じさせる色合いが絶妙で、愛らしい砂糖菓子のようです。生地は紬調でランダムに節が入り、カジュアル感がプラスされるのもほどよいバランス。帯は塩瀬の白に刺繍で蝶々をあしらったもの。着物と帯で、白くかすんだ花曇りの空に舞う蝶々をイメージしてコーディネイトしました。帯締め帯揚げもピンクでやさしく春らしいトーンでまとめたなか、くっきりとした色の蝶々はポイントカラーとしても際立ちます。まどろみと現実の間にたゆたう「胡蝶の夢」の世界を感じていただけるかもしれません。物語性のある風情は、きもの英（はなぶさ）のお店のある神楽坂のまちにも似合います。本来なら汚れが心配になってしまうこんな白っぽい着物も、きもの英の洗える着物だから安心。洗える着物に出会ってから明るい淡い色が気兼ねなく着られるようになり、着物のワードローブが豊かになったと喜んでくださるお客さまもたくさんいらっしゃいます。好きな色、着てみたい色や柄を、洋服に近い感覚で自由に選べるのは、洗える着物ならではですね。