木村孝先生思い出の付下げ
気品あふれる乳白色の地に、渋みのある緑色と紫色で菊の葉と花を手描きした、個性的な絽の付下げ。凛と気高い雰囲気でありながらも、女らしいやわらかさを感じさせてくれる意匠です。実は、以前に淡交社の茶道専門誌『なごみ』に今は亡き木村孝先生の監修で出させてもらった、思い出の着物です。身にまとうたびに、いつも貴重なアドバイスをくださった木村孝先生とご一緒させていただいた時間がよみがえるように思います。一幅の日本画を思わせるような、余白とのバランスを生かした構成は、まさに唯一無二。究極の贅沢といえる夏の白ですが、やわらいだニュアンスを加えた乳白色には、盛夏の清々しさとは一線を画した情感が漂います。この絶妙な色合いを、ずっと保つことができるのも洗える着物だからこそ。帯も晩夏にふさわしく、すすきの穂が風に揺れるさまを織り出した袋帯を合わせました。行く夏を惜しむ時期、特別なシーンにふさわしいコーディネイトです。きもの英(はなぶさ)では、お客さまのお好みに合わせた手描きの一点もののご要望にも対応いたしております。とっておきの一枚をとお考えの方は、ぜひご相談ください。