千總ならではの秋羽織

着物好きの方にはおなじみの京友禅の老舗、千總ときもの英（はなぶさ）のコラボでつくった色柄のひとつです。「縦枠に菊」は、千總の伝統的な柄です。女将としてはこのようにいかにも重厚で着物らしい、華やかな柄ものを普段に着ることは珍しいのですが、秋ならではの羽織りものとして、この季節限定で楽しんでいます。このコーディネイトの主役はなんといっても羽織。着物は無地感覚であっさりと主張のないものを選び、羽織の色柄を引き立てます。塩瀬の帯に浮かぶ紅葉の柄とも相まって、雅びやかで秋らしい着姿を完成させています。羽織は洋服にたとえるなら、カーディガンやジャケットと一緒なので、劇場やレストランに入っても脱ぐ必要がないのがコートとの大きな違い。もちろんこの羽織も洗濯機で簡単に洗えますから、家に戻れば玄関先で脱いでランドリーコーナーに直行すれば安心です。汚れはもちろん、ウイルスから身を守ってくれるものとして、洗える着物はこれからの時代、ますます活躍してくれるものになるでしょう。