合わせやすいもやぼかしの薄羽織

全体にふわふわとぼかしをあしらった、紗のカジュアルな薄羽織。薄く涼やかな透け感があり、４月中旬から9月いっぱいまで着られる素材です。特にこのような中間色は、薄い色の着物とも濃い色の着物とも相性がよく、また春夏秋のどの季節にも違和感なく合わせることができるので、とても重宝するんです。真夏に羽織りものというと、「必要なの？」と戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、屋外で着物の上から何も羽織らないでいるのは「帯付き」といわれ、古くはきもの英（はなぶさ）のある神楽坂などの花街にいらっしゃる玄人さんたちのスタイルと認識されていました。コートや羽織で帯を隠すのは、一般人としてのマナーでもあるのです。もちろん大切な着物や帯を汚れから守ってくれる役割があるのは、いうまでもありません。きもの英の洗える素材なら、玄関先で脱いでそのままランドリーコーナーに持ち込めるので安心。特に一番上に着るものは、水洗いできるものが一番だというお声を、コロナ禍以降あらためて耳にするようになりました。また、羽織だと室内でも着たままでいられるので、より気軽に楽しめます。