夏の海辺に見立てたコーデ
6月から9月という長期間着用できる素材、変わり竪絽の小紋です。横絽のように絽目が目立たず、透け感は少ないのですが、夏素材ならではのシャリ感があってとても涼やか。温暖化の進む現代の和装は、いかにスマートに暑さ対策をしていくかが肝心です。本格的な夏を迎える前から残暑が残る秋口まで着られる変わり竪絽は、その救世主のひとつといえます。今回着用したのは、銀鼠色の地にリズミカルな網目文様をあしらった、涼感あふれる色柄。波間に千鳥が飛ぶさまを図案化した絽塩瀬の帯に、帯揚げや帯締めもブルー系を選び、夏の海辺のイメージを表現しました。着物の網目文様が、海にぱっと広がる投網に見えませんか。まさに海辺の景色を身にまとうような楽しさです。このように見立ての文化を気軽に楽しめるのも、着物コーディネイトの魅力のひとつです。きもの英(はなぶさ)の洗える着物は、シンプルだからこそさまざまな見立てに活用できます。小さなひらめきから、あれこれと想像をめぐらせ、身につけるひそやかな満足感と、目にとめてくださった方と分かち合う喜びと。きもの英は、お客さまとそんな楽しみも共有させていただきたいと思っています。