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桜柄の都市伝説に物申す!

桜模様の着物はいつ着るの?

季節に先駆けて思いを馳せるなら桜の開花した頃まで。

はい、そうですね。
そんなのは桜に限ったこっちゃない。
全ての花に言えること!






基本人が何を着ようとその人の勝手であります。
もしあんまり厳密な話しをすれば、桜柄なんてほんのちょびっとの期間しか着られないじゃん。

ましてや
「桜柄の着物には古くからのマナーやルールがあります」とか言っちゃって、私に言わせりゃ「ウソばっか!」な話しが横行しております。
私は基本ルールにおだやか、人の言うことには「人それぞれだから」と比較的寛容な人間ではありますが、もうこればかりは我慢の限界。
こんなこと言ってたら後世に間違った知識を残してしまいます。

良く聞くのが「枝付きの柄は桜の季節だけ」
こんなの絶対にウソ!
これは元々はこんな話しだったはず。
「枝とか幹とかのある写実的な桜は桜の時期に着るとよりお洒落だよね」
これは私が子供の頃、大人の方々、謂わゆる先生と呼ばれる方々が時おり仰ってました。
つまりダメということではなく、こうする方が素敵じゃんレベルの話し!

それと同じで「花びらが散っている模様は散り際までOK」
これも枝つきの桜模様と同じです。

枝が描かれていない花びらのみで一面を覆っていれば、桜の季節に限らず一年中OK
なんじゃそりゃ?

極め付けは「本物の桜の前では桜柄の着物を着たらダメ」
余計なお世話だ、放っておいてくれ!
これだって本物の桜の前では桜の着物よりも、例えばワイン柄の帯とか徳利の柄とか、演奏会の柄とか着たらオシャレだよね!って話しだったはず。
昔の浮世絵みてご覧!梅見の時に梅の柄着てるじゃん。桜の花見に桜の柄着てるじゃん。
私だって子供の頃の外出の着物はメチャクチャうるさく言われて、6月1日にならないと単衣なんか着せてもらえなかったんだぞ。それでも花見の時には桜の小紋で外出させてもらった覚えがあります。

つまりね、こっちの方がよりいいよねって話しがしちゃダメって規則みたいに変化したの。こんな規則みたいなこと勝手に作られたらますます着物のハードルがあがるじゃん。

最近ネットでも最もらしく、こんなことを書いているブログやホームページを見かけます。
ただその謂れの出典を明らかにされていらっしゃるのはみたことがありません。
古来からのルールやマナーならそれを書かれた文書なりがあるはずです。

私はこう考えます。
着物には百花と呼ばれ色々な四季の花を描き季節を問わず着られる模様があります。
その中のひとつに描かれているならば問題はないと思いますし、また桜は春の花であることをわかった上で着用するならなんの問題もないと思います。

例えば外国の方が多いパーティで日本を代表する花として桜の着物を着用する。踊りの流派によっては桜が流儀のお花になっているところもあります。
ご自身のお名前に桜の字が入っているとかね、いいんですよ、ホントは!
少し乱暴な言い方になりますけどね、桜の花が好きなら季節構わず着ちゃってもいい。決してやっちゃいけないようなことじゃないんです。
やっちゃいけないことっていうのはもっと違うことです。

もちろん季節を楽しむのは着物の醍醐味です。
私も春に桜柄を楽しんでいるひとりです。
本来着物はもっと自由なものです。
お洒落を楽しむものです。

感情のままに書き散らしました。
読みにくかったらごめんなさい。
そして、最後までお読みくださってありがとうございました。