爽やかなホワイトコーデ

白地の小紋は、「切りばめ」模様。切りばめとはさまざまな布を切ってはめ込んでいく、パッチワークのような技法をいいます。それを模して多彩な柄で豊かな表情をつくっているのがこの模様。今回の小紋には、格のある文様として知られる江戸小紋の五役から「鮫」や「大小あられ」が詰められ、ダイナミックな配置ながら品格のある一枚となっています。白がベースなのですっきりとした印象で重々しくならないのも、着やすいポイントですね。

帯も塩瀬に手描きであやめをあしらった、白地を合わせました。思い切りのよい白×白、色の引き算という表現がぴったりのコーディネイトです。季節は春から初夏へ。近年では春の気分も抜け切らないうちに、まるで夏のような日差しを感じることも珍しくありません。今日は絶対暑くなるぞという日には、こんなふうに爽やかな色合わせをさらりと楽しむのも粋ではないでしょうか。本来なら汚れるのが怖くてためらわれる白地の着物も、きもの英（はなぶさ）の洗える着物なら平気。季節に先駆けた颯爽とした着こなしは、着物ライフをよりアクティブに盛り上げてくれます。