迫力のある貉(むじな)菊
大きな貉(むじな)菊を意匠化した江戸小紋の着物です。大胆な構図ながらもグレイッシュなワントーンで仕上げているため派手にならず、洗練された着こなしのできる一枚です。ちなみに、「貉」というのはたぬきのこと。貉菊は、その花びらが幾重にも重なり広がる様子が、ふかふかしたたぬきの毛並みに似ているところからこう呼ばれるようになったとのことです。長寿を表す吉祥文でもある菊は、季節を問わず着られるモチーフのひとつ。でもやはり、菊の最盛期である秋から冬にかけて着ることが多くなるかもしれません。今回は蔦を織り出した濃色の名古屋帯を合わせ、コントラストの効いた粋なコーディネイトに。観劇や街歩きなど、幅広いお出かけに活躍します。きもの英(はなぶさ)のある神楽坂の秋にも、しっくりと馴染みます。秋冬の白っぽい着物は、それだけでオーラを放つような存在感があり、さりげないお洒落が主張できる装いです。しかもおうちに戻れば洗濯機まかせでお手入れの手間がまったくかからない洗える着物なので、安心して着こなせます。