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ご贔屓さんのクローゼット

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  3. NO.95「心身を研ぎ澄ます武家茶道の世界に惹かれています。」高田和哉さん

closet : 95
心身を研ぎ澄ます武家茶道の世界に惹かれています。

化学メーカーに勤務時代には、米国ニュージャージへの赴任で海外生活を体験。そんなご経歴を生かし、現在は大学特任教授として、海外の大学や企業との国際共同研究を推進支援するお仕事をされています。一方プライベートでは、20年前に入門した鎮信流の茶道に邁進される日々です。

日本人として日本を知るために

朝は「グッモーニン」で始まりトーストに紅茶の朝食、という洋風好みの家庭に育ち、ほとんど日本文化に関心を持つことなく育ってきました。ただ、セラミック工学を学んだ大学は濱田庄司や河井寛次郎といったビッグネームの陶芸家を輩出しており、やきものへの興味が芽生えました。会社員時代には山口県に赴任した時に萩焼に魅せられて、週末になると萩まで出かけては使い方もよく知らないままに茶道具を購入したりもしていました(笑)。実は抹茶の味は好きでよく自分で点てて飲んでいましたが、茶道はあのルーティンな動きに意味が見出せず、仰々しく面倒臭いものと思っていたんです。ところが米国に転勤になって日本を離れてみると、やはり日本人としてのアイデンティティの重要性に目覚めるわけですね。自国の文化を知らないのは恥ずかしいことだと。そこで、帰国後、妻の叔母が教える茶道教室に通い始めました。

宗家に学び、深まった興味

入門したのは、鎮信(ちんしん)流といって長崎平戸の大名・松浦(まつら)家に伝わる武家茶道。究極に研ぎ澄まされたシンプルで無駄のない点前にいつしか魅せられ、気がつけば妻以上にはまってしまいました。以来、20年になります。最初は最低限の点前だけ教わったら辞めると宣言していたんですがね(笑)。小さな流派なので、宗家から直接ご指導を受けたり、お話しを聞かせて頂く機会があって、その歴史や修練への心構えにふれて向上心がさらに刺激されたこともあります。茶道を始めてから新しい出会いや交流も増えて、俳句をやったり茶杓を削ったり、宗家から拝領した竹で花入をつくるために木工作家に弟子入りしたことも。自宅のリビングを改装して、2畳向切のお茶コーナーもつくりました。何度か簡単な茶事で友人たちをもてなしたことがありますが、やはり楽しいですね。とはいえ、今はまだ多忙でせっかくの道具を使う機会も少ないので、退職したらお茶三昧の暮らしをしようと心に決めています。

私のお気に入り

最初の1枚、は海外での茶会用

日蘭通商400周年の記念行事で宗家がオランダに招かれた時に同行し、茶会の手伝いをすることになりました。その時に、海外は天気もわからないし、洗える着物が便利だろういうことで、きもの英を訪ねてつくってもらった最初の一枚です。光の加減によって微妙に違って見える味わいのある色で、品質も申し分ありません。その後、流派の正装である黒紋付も仕立てていただき、正絹よりも頻繁に着るようになりました。

茶人ならではの装いをおしゃれに

粋なグリーンの色合いが絶妙な十字絣の単衣小紋です。ポイントは、茶人に必須の紋を、縫い紋で入れてもらったこと。これがとても繊細で美しく、見るほどに惚れ惚れします。これもまた出番の多い一枚になりました。

気分も引き締まる夏のコーディネート

夏の茶会にはこれ!と決めている目にも夏らしいコーディネート。ダークトーンに、荒磯の帯がきりりとしたアクセントになって、洒落た雰囲気になるのがいいですね。いくら冷房がきいていても、道中を含め夏場はどうしても汗をかきますから、洗える着物ははずせません。

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