フォーマルにも通用する梅小紋
暦の上でもいよいよ春。そんな時季にふさわしく、黒の縮緬に一面の紅梅白梅を配した千總×きもの英(はなぶさ)コラボの華やかな小紋です。毎年、春を告げる着物として着たくなる大好きな一枚です。小紋ながらも装うだけで心が浮き立つゴージャスさがあり、ちょっとフォーマルな席にも着られます。とてもポリエステルの洗える着物には見えない計算され尽くした意匠、質感、丁寧な縫製も、高級感を伝えてくれます。今回合わせた帯は桜色に源氏香を染めた名古屋帯。控えめな意匠を選ぶことで、梅の美しさをよりすっきりと見せるコーディネイトです。梅といえば、京都を離れた菅原道真を追って、彼が愛した紅梅殿の梅の枝が太宰府にまで飛んできたという「飛梅」の伝説も有名ですね。いまや菅原道真は特にこのシーズン大忙しの学問の神様。お祀りしている全国の天満宮も、梅が咲き揃う季節を迎えます。今年は受験もイレギュラーなことがあり大変ですが、本当の春が来るまであと少し。美しく咲き誇る梅の意匠に、エールの気持ちを託したいと思います。