爽秋のカジュアル小紋コーデ
夏には紗紬の帯を合わせて浴衣風の装いを楽しんだ、抑えた色使いの変わり竪絽小紋。象牙色のベースに秋草が生い茂る柄ゆきは、この季節の装いにもぴったりです。秋とはいえ暑さの残る1日を心地よく過ごせる、見た目にも着用感も爽やかなコーディネイトになりました。今回は秋らしさを意識して、軽い紬地に芯を入れた名古屋帯を合わせています。この帯は、真夏と真冬以外のシーズンに使えるもの。紺地に露芝の柄も合わせやすく、とても便利です。帯締めで暖色をポイントとしてプラスすることで、夏が終わり秋へと歩を進めた季節の風情を伝えます。夏コーデでは清涼感しか感じられなかった象牙色も、こうして少しぬくもりのある色味を足すだけで秋にふさわしい表情に見えるのが演出の妙。その意味で、白っぽい着物はより自在に思い思いの絵が描ける、真っ白なキャンパスの感覚により近いのかもしれません。本来なら汚れが気になる地色も、少しきもの英(はなぶさ)の洗える着物なら、洗濯機洗いだけで美しさをキープ。6月から9月までの長期間、着用可能な変わり竪絽素材を、手間のかかるお手入れは一切なしで、存分に着まわすことができます。