幼い頃から日本舞踊花柳流で研鑽を積み、さらに津軽三味線や鼓など、和のお稽古を楽しみつつ自らを磨き続けてこられました。4年前、待望の愛犬を迎えられてからは、その可愛い姿をおさめるためにカメラの腕もめきめき上達。清楚で愛らしい雰囲気の奥から、活動的な素顔がのぞきます。
日本舞踊を続けてきた喜び
小さな頃からピアノや水泳など、習い事はたくさんしましたが、唯一続いたのが5歳からお稽古していた日本舞踊でした。中学生の時に、初めて祖母に玉三郎さんの舞台に連れて行ってもらい、伝統芸能ってこんなに素敵なんだとあらためて衝撃を受けたことも、モチベーションを高めました。それからは観たい公演があると、一人でも出かけるようになったほどです。高校在学中に師匠が廃業されることになり、一瞬、お稽古を辞めるという選択肢も頭をよぎりましたが、別の稽古場に通い始めたたことが新鮮な刺激になりました。というのも、新しい師匠のもとにはそれまでご一緒することのなかったような私と同世代のお弟子さんがたくさんいらして、「次何踊る?」とか「あれよかったよね」とかいった他愛のない会話や、学び合うことの楽しさに目覚め、日本舞踊がより身近になった気がしたのです。2014年には名取となり、3月に国立文楽劇場でお披露目をさせていただくことができました。
和物のお稽古に心惹かれて
踊り以外にも、津軽三味線の音色に魅せられ、体力がある若いうちにとお稽古に励んでいます。先日はオリンピックへのプロモーションで、2000人で津軽三味線を合奏しギネスに挑戦するイベントにも参加し、とても感動しました。同じ伝統芸能とはいえ、まったく違う世界で興味深いです。それから高校に入ってから始めた鼓も楽しんでいます。これも最初はまともな音は出ないし、暗号のような譜面は難しいしで難儀しましたが、暗譜して舞台でお三味線や唄の先生方に合せて頂くと、これまでにない達成感があります。最近は舞台を見ても、つい自分が演る立場であちこち見てしまうので忙しいんです(笑)。伝統芸能がハレの世界なら、日常は大切な愛犬が中心といえます。どちらも、私の毎日に活気とかけがえのない輝きを与えてくれます。
私のお気に入り
木村孝先生の言葉に後押しされて
「この年齢の今こそ、あなたは小振袖を着るべき」とアドバイスしてくださったのが、いまは亡き木村孝先生です。私は小柄なので、少し袖を長くするだけでゴージャスな印象になることを教えていただきました。振袖を着るほど仰々しくないフォーマルシーンにほどよく、お願いしてよかったと思いました。
英との信頼関係でつくりあげた振袖
お祝い事やパーティに出席する機会が多いので、礼装は欠かせません。ここ一番に着る振袖は、別注の形で手描き友禅をお願いしました。いつも私の好みを知り尽くし、心をこめ技術を注ぎ込んでつくってくださる英の対応に、私も母もとても感動しています。この振袖たちは、その信頼関係の集大成。まさに「逸品」と言える、贅を尽くしたフォーマルになりました。期待以上のものをつくってもらえて、本当に感激しています。
伝統が息づく千總柄にうっとり
英と出会ってから、お稽古やちょっとしたお出かけにも、洋服感覚で着物が着られるようになりました。やはり古典柄が大好きで、伝統の重厚感を伝える千總柄は何を拝見しても素晴らしいですよね。そんな私の気持ちを察して、英の秘蔵品だった反物を小紋に仕立てることを提案していただいたのです。私好みの愛らしい柄で、着るたび心がはずみます。