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ご贔屓さんのクローゼット

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  3. NO.93「年齢を重ねるたびに、踊る楽しみが高まっています。」花柳眞理子さん

closet : 93
年齢を重ねるたびに、踊る楽しみが高まっています。

6歳で日本舞踊を始められ、後に三世宗家家元の花柳壽輔氏に師事。ご自身のリサイタル「花柳眞理子の会」他、数多くの舞台で多くの人々を魅了し、2度の文化庁芸術祭賞優秀賞他、数々の受賞にも輝かれてきました。一方、指導者としてのご活動にも意欲的で、流派を超えて尊敬と憧れを集めておられます。

花柳眞理子公式ウエブサイト
https://nihonbuyoumariko.jimdo.com

引っ込み思案の少女が目覚めた舞踊

小さい頃は話をするのが苦手で、あまりに内気なのを心配した母が、日本舞踊を習いに行かせたんです。最初から「筋がいい」と褒められて、10か月目には初舞台を踏むことに。今思えば、母が相当のスパルタで、毎日一からおさらいをさせられたのが上達の秘訣だったのかもしれません。踊りだけでなく、勉強でもなんでもしっかり予習復習して、よい成績をとらないと怒られました。女性が職業に就くなんてとんでもないという時代の考え方で、学校を出たら知らないうちに決められた相手と結婚して、家庭におさまるというレールが暗黙のうちに敷かれていて、とても嫌でした。ところが17歳の時に家業が倒産したので、上の学校に進まずに、他に何も出来ませんので、舞踊の道に進むことにしました。

流派を超えて踊る楽しみを伝えたい

舞踊が好きで好きで、作品をもっと理解したい、その心や世界をもっと深く表現したいという思いだけでここまで来ました。今でも、何を見ていても、頭の中は踊りのことでいっぱいです。若い頃に踊った作品を再び踊ると、また理解度が違って、新しい発見があるんですよ。特にこの4、5年は踊る楽しさが自分の中でレベルアップしている気がします。また、日本舞踊の素晴らしさをより多くの人に伝えたい一心で、指導にも力をいれています。私の指導は厳しいらしく、大人のお弟子さんを泣かせてしまうほど(笑)。少しでも上手に踊ってほしいと思うと夢中になって、妥協できなくなってしまうんです。でもそんな気持ちが伝わるのか、弟子は0歳児から90代まで、四世代で習いに来られる方もいらっしゃいます。今では3つのお稽古場での指導と子ども舞踊教室の主宰に加え、流派を越えて日本舞踊の本質を伝える「おどり出前講座」も開催しています。私の活動が日本舞踊普及の一助になれば、これ以上嬉しいことはありませんね。

私のお気に入り

稽古着に愛用している単衣の小紋たち

稽古着で一番活躍するのが、単衣の小紋です。赤の縞は、きっぱりした色に、細すぎず太すぎない縞の加減がほどよいのがお気に入り。紫の格子は、この色あいと柄ゆきが好みで、繰り返し着るうちに裾が擦り切れたほど。直していただきつつずっと着続けています。1番右の小紋は、出前講座で「玉屋」という男の踊りをする時のために、縞が欲しいと思って探しに来て、目に留まったもの。縞ではないけれどキリッとした雰囲気が思っていたイメージと合ったので、迷わずに選びました。

一門で誂えた品格のある訪問着

リサイタルのお手伝いや、新年会をはじめとする集まりなど、一門が揃う時に全員で着るために訪問着を誂えました。黒地に上品な古典柄で、揃って着ると場が締まります。実はこれ、若向きとシニア向きを同じ柄の色違いで2種類作っていただいたんですよ。私たちシニア向けには落ち着いた色めで、若いお弟子さん向けにはピンクを入れて少し華やいだ雰囲気にしていただきました。

無地感覚で着られる、紋付きの付下げ

ご贔屓から頂戴した、一つ紋付きの付下げです。遠山ぼかしの柄がなんとも優雅で、気品があります。普通の無地を着るよりもちょっと華やかでおしゃれ。爽やかな色合いも単衣の季節にふさわしく、どんな帯にも合いますね。格のある集いやパーティに大切に着ています。

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