全日本ソリストコンテストのグランプリをはじめ、数々のコンクールで受賞に輝いてきた美香さん。主演を含むオペラの舞台やリサイタル、また指導者としてもご活躍です。そしてクラシックにとらわれず幅広いジャンルの歌を届けたいという熱い思いが、さらに新しい境地を開くことに!?
『演歌魂 vol.2 ソプラノ歌手 橋本美香 〜日本の冬を歌う〜』
日時:2020年2月8日(土)15時開演(14:40開場)
橋本美香公式ウェブサイト http://www.hashimotomika.com
ピアノ奏者からソプラノ歌手へ
もとは歌の伴奏をするピアニストになりたくて、国立音大でピアノを専攻していました。そのためには歌の勉強も必要と、専門の先生についた時に「あなたは歌に向いている」とすすめられ、東京藝術大学大学院で声楽を学ぶことに。最終的にウィーンへの留学も果たして、ソプラノ歌手として舞台に立ち続けることになりました。また、ソロリサイタルを重ねるなかで、より幅広い層のお客さまの心によりストレートに響く歌を届けたいという思いから、レパートリーに日本の歌を加えはじめました。そこで気がついたのは、日本人であっても日本語の歌詞をしっかりと届かせるのは難しいということ。声を大事にすると言葉が届かなくなるし、言葉を大事にすると声が平べったくなるんです。でも工夫しながら経験を積むうちに、「あなたの歌は言葉がよく聞こえるわ」というお褒めの言葉をいただくようになりました。
魂をこめ、本気で演歌も歌います!
意外かもしれませんが、私は昔から演歌が大好きなんです。ついに昨年の夏には初めて地元のレストランで「演歌魂」という演歌と昭和歌謡だけのコンサートを開催しました。それが好評で、今年2月には第2弾が決定しています。会場の盛り上がりにもクラシックとはまた異なる魅力があって、お客さまとの一体感が味わえることがたまらなく楽しいです。もちろん演歌とクラシックでは発声法が違うし、こぶしやうなりの表現も試行錯誤が必要です。声専門のトレーナーについて、あらためて表現にはまだまだ広い可能性があることを知りました。私は演歌歌手の島津亜矢さんをとても尊敬しているのですが、彼女は演歌の人でありながら、どんな歌も本格的に歌いこなすんです。プロ歌手として私も、演歌もやるからには演歌の特徴をとらえた歌い方が出来るようになりたいと思っています。これからもジャンルにとらわれずひとつひとつの機会を大切に、より多くのお客さまに歌の楽しさを知っていただけるようがんばります。
私のお気に入り
遠目にも映えるゴージャスな雪輪柄
華やかなステージにぴったりのゴージャスな雪輪柄。グリーンぼかしの八掛もおしゃれで、とても気に入っています。合わせている帯は、3年前に亡くなった愛犬のすみれを知り合いの染色作家さんに描いていただいたオリジナル。実はきもの英に初めて訪れた時、この帯に合う着物をとお願いして選んでもらったのです。本当にぴったりのものが見つかって感激しました。もちろん他の帯とも合わせやすく、またイメージの違った着こなしができます。那須のステンドグラス美術館で定期的にコンサートをしているのですが、そんな洋の雰囲気にも似合う、ドレス感覚の着物です。
スタイリッシュに着こなせる夏着物
モノクロのグラデーションが美しく、クールな雰囲気です。夏の装いって、涼しげなブルーのイメージが強かったのですが、きもの英でこの着物と出会い、こんなふうに洗練された夏の着こなしも素敵だと思いました。舞台映えがするし、縦のラインでスタイルがすっきりとしてみえるのもポイントです。ちょっとしたお出かけから、夏のリサイタルまで活躍してくれます。シンプルなので帯まわりに遊び心のあるアクセサリーを取り入れて、客席をまわった時にご覧いただいてコミュニケーションをとることも。こんなふうにお客さまとの垣根なく気さくなやりとりのできるリサイタルも大事にしていきたいと思っています。
愛犬のすみれちゃんを着物の図案に
愛犬すみれちゃんはオリジナルの着物の図案にもなりました。すみれちゃんが大好きだったビール(!)やドライフードがあしらわれているところもユニークで、深い愛情が伝わります。「今はもう会えなくて悲しいですが、この絵があまりにもそっくりで、身にまとうと一緒にいる気分になれて幸せです」。