ウイークデーは大手食品メーカーの秘書室で重役の信頼を集め、週末は茶道の教授者としてご活動と、双方で着実なキャリアアップを果たしてきた宗志さん。ふんわりと優雅な雰囲気ながらテキパキと活動的で、話すほどに楽しく魅力的な女性です。
ふたつの顔で「お茶漬け生活」
中学時代に始めた茶道ですが、大学生になって初めてお茶事に参加させていただいた時に、大きな衝撃を受けました。真のおもてなしとはここまできめ細かに相手のことを考えるものなんだということ、もてなされる側も相応の心得を持っていないと全てを受け止められないということ。両者の心が響き合って初めて完成する素晴らしい場があることに感激し、お茶の先生になりたい!と強く決意するに至りました。そうして稽古に身を入れるほどに、求められるひとつひとつの所作や考え方すべてが理にかなっていて、大人として日常的に活かせるマナーであることがわかりました。それは、大学卒業後、秘書として働き始めてからさらに実感するようになりました。たとえば食器の向きの合わせ方や果物の切り方、接遇のマナーなど直接的なことだけでなく、仕事の優先順位や空気の読み方など、まず相手や周囲のことを考えて行動することが、すべてにかかわってくるのです。仕事ではお茶漬けで知られる会社で働き、プライベートでは茶道教授、これを「お茶漬け生活」と自称していますが(笑)、私の中ではしっかりつながっています。
思い立ったら即行動
茶道を教える立場になった今も、型をなぞるだけの稽古ではなく、どう日常に活かせるかを具体的に伝えるように意識しています。関西人でありませんが「笑わせてなんぼ」のきもちで、楽しく印象づけられるように工夫しているつもりです。役立ったと喜んでもらえると嬉しいですね。また、茶道には体力も必要と実感して筋トレを始めましたが、すっかりはまって今では週2、3度はジム通いをしています。勢いでホノルルマラソンに出たりと、ストイックな性分のせいか、熱が入るとやりすぎてしまうところが若干ある私です(笑)。これからも着物も含め、さまざまな経験を積みながら学んでいきたいと思っています。
私のお気に入り
新しい自分を演出できるクールなカラー
着物はお下がりも多くて、手持ちのものはピンク系が主なので、自分で購入するときはブルー系を選ぶことが多い傾向に。これまでは黄みのブルーばかり選んできたのですが、たまにはこんな色もどうですかとご提案いただいたのがこちらのキリッとした色でした。当ててみるとカッコよくて、今までの自分になかった雰囲気。気温があがっていく季節にぴったりの涼やかさがあり、とても気に入りました。帯を黒にしたら秋にふさわしい重厚感も演出できます。
めぐりめぐって、やっと見つけられた「褒められ」コート
英を知るまで、着物のコートを買うのって、本当に大変だったんです。紗のコートが欲しいといろんなお店をめぐったのですが、たいてい黒でレースごてごてだったり、リボンレースがつながっていたり、なんだか昭和な香り(笑)。こちらで見せていただいた時、シンプルでおしゃれな品揃えに感激。欲しかったデザインをやっと見つけた!という思いでした。このひとえの春コートも、やさしい色で、ピンク系の花と青い花が入っているのですが、下に着る着物の色によって浮かぶ花が違うのがまた素敵なんですよ。
セルフイメージにぴったりの”はんなり色柄”
蝶のモチーフが好きで、この小紋もひとめ惚れでした。お稽古や、お友達とのランチなど、どんなシーンにも気軽に着られて大満足、愛用の一枚です。徐々に年齢のことを考えて、これから先も着られるかどうかで選ぶようになってきていますが、これならはんなりとした上品さがあり、帯合わせもしやすくて、長く重宝しそうです。