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ご贔屓さんのクローゼット

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  3. NO.76「義母のおかげで、着物との新しいかかわりができました。」浅川治美さん

closet : 76
義母のおかげで、着物との新しいかかわりができました。

先月にご登場いただいた浅川由美子さんのご子息に嫁いで約9年、笑顔が素敵な自慢のお嫁さんです。どんな着物も着映えする美しさとスタイルは、一児の母と思えない若々しさ。独身時代は着物のショーモデルをやっておられたと聞いて納得です。

故郷の桐生で培った着物への思い

出身は織物のまち、群馬の桐生です。でも地場産業だというのに着物にふれる機会はそれほどないまま、大人になりました。もちろん、七五三や成人式などのセレモニーには普通に着ていましたし、どちらかというと好きではあったのですが、非日常のものという距離感はありましたね。一気に身近な存在になったのは、就職した会社の先輩が着付け師として着物ショーのお手伝いをしていたのがきっかけです。頼まれて、休みの日は着物ショーのモデルとしてステージに立つことになったのです。地元の会館や、トロッコ列車でのショーなど、面白い体験をたくさんさせていただきました。今まで知らなかった世界をのぞいて、あらためて地元の産業にも誇りを持つと同時に、着物を着る楽しみをたっぷり味わうことができました。

結婚後、さらに華やぐ着物の楽しみ

主人とは友人の紹介で知り合いました。恋愛時代は、東京と群馬を行き来するちょっぴり遠恋。中間という感覚で待ち合わせ、よくデートした浅草が、思い出の地になりました。でも、会う時に着物を着たことはないし、義母が着物好きという話は少し聞いていたものの、結婚したら着物との縁は切れてしまうんだろうなと思っていました。それが、実際お嫁に来てみたら、義母が本当によくしてくれて、ことあるごとに着物を買いに連れ出してくれます。夫からも、「幼い頃母が学校の行事にいつも着物で来たのがうれしかった」という話を聞いて、私も息子のためにそんな思い出をつくってやれたらと思うんです。といっても、今は着付けを義母にお願いしている状態なので、目下の目標は、自分で着られるようになること。そうしたら、今よりもっと着る機会も増えるでしょうし、着物との向き合い方が変わることで、世界がもっと広がるんじゃないかと期待しています。

私のお気に入り

大好きなうさぎモチーフをオーダーで

干支がうさぎということもあって、うさぎモチーフのものを見ると思わず手にしてしまうほど大好き。それではうさぎの着物をオーダーしましょうということになって(笑)。何度もやりとりさせていただく中でイメージをふくらませ、うさぎと月をモチーフにした素敵な刺繍をあしらった小紋ができました。地色も愛らしいピンクで、大のお気に入りに。作った時は意識していなかったのですが、息子の入園式にもぴったりの装いになりました。

美しい色合いにシャープな柄が好相性

実はこの着物、義母がひと目惚れしたものだったんです。シャーベットのような色合いも鮮やかで、素敵ですよね。でも柄取りが大胆なので大柄な人が着た方が裾模様が映えることがわかり、ありがたくも私が仕立てていただくことに(笑)。これまで可愛い系の着物が多かったのですが、こちらは流れのある洗練された柄ゆきで、とても新鮮です。大人な表情で、長く愛用できそうなのも嬉しいですね。

大胆な赤の総柄も、着物だからこそ

普段、洋服での装いはモノトーン系が多いのですが、着物だとためらわずに華やかなものを選びます。こちらもこの色味と柄がぱっと目を引いて。派手かなという思いもあったのですが、合わせる帯によって華やかにもシックにも着られることがわかりました。お正月など、おめでたいシーンにも気持ちを引き立ててくれる、お気に入りの一枚です。

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