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ご贔屓さんのクローゼット

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  3. NO.79「着物を楽しむ人を、もっと素敵にしたいんです。」立川直子さん

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着物を楽しむ人を、もっと素敵にしたいんです。

神楽坂で着付け教室を主催し、講演やイベントにもひっぱりだこ。正統派で確かな着付けテクニックに加え、ブログやInstagramから発信される大人可愛いコーディネートも人気の的に。いつも自然体でふんわりとした空気を身にまとうお人柄もまた、直子さんが多くの人から愛される理由でしょう。

着付けとの出会いに支えられて

23歳で結婚したのですが、その結納の席に着物で臨んだことが、思えば転機となりました。人生の晴れの日に彩りが添えられて、しかも最高に幸せな気持ちになれることに感動して。その時の着付け師さんが学ばれたという着付け教室に、通うことにしたのです。結婚生活は順調でしたが、続けていた仕事が辛かったんですよね。とにかくスピードと効率が優先される外資系企業で、何事も丁寧に心をこめる着物の世界とは真逆でした。それが週一度、教室に通うことでリセットされ、生きがいにさえなっていきました。夢中で学ぶうちに一番上のお免状を持ちダブルワークで講師を務めるまでに。そして、30歳を手前に転職したい病が爆発寸前になったタイミングで、憧れていた着物スタイリストさんが新しい部門を立ち上げスタッフを募集されることを知ったのです。私にはこれしかないと、夫にも相談せず(笑)聞いたその場でエントリーしました。先生とは面接で意気投合して、即採用。念願の着物業界に飛び込みました。

大切にしたいすみれ堂流・仕事術

その会社では着付け教室のほか、雑誌や映像撮影の着付けなども手がけていて、それまでとはまた違う忙しさでしたが、あくまで人が中心であることはブレません。人の心の機微や気遣いの大切さなど、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。何より、着付けという豊かな文化を伝えることで、かつての私のように救われる人もいるかもしれないと思うとあらためて嬉しく、やりがいを感じました。独立して自宅で着付け教室してからも、その気持ちは変わりません。今、教室はフリーの予約制で、多くても生徒さんは一度に3人までと決め、納得のいくまでお教えするスタイルです。ゆっくりと丁寧なかかわりの中で、みなさんがもっと素敵に着物を着こなせるよう願って、ちょっとしたコツや、美意識の持ち方をお伝えしたいと思っています。

私のお気に入り

英のセンスが伝わる雨コート

雨コートって、デザインに工夫がなくあまり可愛くないものがほとんどでなんですよね。でも私は自分で選んだ生地を仕立てていただいて、丁寧に着たいという思いが常にあるんです。その意味でも、好みの反物でぴったりのものを誂えていただける英のスタイルは嬉しく、出来上がってきた時には感動しました。この雨コートは、4月から10月くらいまでなら、コートとしても着られます。仕立てもよいので、どんな装いの上からもぴたっと決まるのが嬉しいです。雨の日も楽しく出かけられるようになりました

およばれにも堂々と着られる小紋

英は着物関係のイベントでよくご一緒させていただいたり、また同じ神楽坂ということもあって生徒さんの中にもファンが多かったりと、ずっと以前から気にはなっていました。私はもともと伝統技法でつくられた天然素材の着物に心惹かれてきたのですが、意を決して英に足を運び、そのこだわりを伺えば伺うほど、伝統の技法を大切に一枚一枚クオリティが高いものをしっかりつくられていることを知り、信頼が高まりました。手持ちのワードローブは紬や綿、麻などカジュアルなものがほとんどだったので、きちんとしたところにも着られるものをと思ってお願いしたのがこの小紋。私の中で、英は極上のエレガント着です。

夏のフォーマルもこれで完璧

夏の陽射しにも映えそうな、爽やかなレモンイエローに一目惚れ。女将さんにも「着たい色を着るのが一番」と背中を押され、思い切って選んだ色です。手描きの友禅の草花柄もとても優雅。よそ行きの表情の中にも可憐さがある私好みのデザインです。ちょっと気の張る集まりや格の要求される場所にも自信を持って着ていけます。

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