母親の花柳寿月延さんから日本舞踊の手ほどきを受け、2歳半で舞台デビュー。花柳流三代目家元・寿輔さんの内弟子として修行後、故郷・大阪に拠点を置かれたのちも流派の厚い信頼を担われてきました。舞踊会「花柳旭扇の会」を主宰し、後進の指導に当たりながら、自らもパワフルにご活躍されています。
花柳旭扇オフィシャルサイト
http://hanayagi-kyokusen.jp
多くのことを学んだ内弟子修行
十代の頃は踊り一筋ではなく、スキー、水泳、サーフィンなど、たくさんのスポーツを楽しんでいました。高校卒業後は進学するつもりが、二代目家元の内弟子を経験した母から「短大に行くつもりで三代目の内弟子修行をしない?」と提案され、「2年くらいなら」という軽い気持ちで東京の家元のもとへ。まさかそれが7年に及ぶとは思いもしませんでした(笑)。家事から身の回りのお世話まで厳しく仕込まれ、最初は何をしても怒られてばかりでしたが、礼儀作法や人への気配り、もちろん日本舞踊のプロとして、また指導者としてのすべてを教えていただけた貴重な体験でした。家元の目線ひとつで求められていることを察して動くことができるようになったのは、そんな日々の賜物です。長めのお礼奉公を終え大阪に戻ってからも、付き人として何かとお声をかけていただき、最期までお側にいることができました。早いもので今年は十三回忌。現家元も、伝統を守りたいと昔のことを謙虚に聞いてくださるので、お役に立てることでお返しして行きたいと思っています。
日本舞踊を広める多彩な活動
帰郷後は、大阪青年会議所への加入が、視野を広げるきっかけとなりました。JCⅠ世界会議で日本青年会議所のメンバーとともに世界各地で日本舞踊を披露し交流に花が咲いたのも素晴らしい思い出です。気がつけば最短で理事になっていました(笑)。卒業した今もメンバーとは交流が続いており、有志で構成するバンドのボーカルとして年に一度のライブ開催など、楽しく活動しています。チャレンジ精神旺盛ゆえに、舞踊でも流派の枠を越えた舞台や、子ども教室の指導など、チャンスがあれば何にでも全力を尽くしてきました。これからも多彩な機会を通じて日本舞踊の素晴らしさを発信し続けてまいります。
私のお気に入り
裏方仕事にぴったりの紋付
内弟子時代は、たとえ裏方でも礼を失しない紋付がユニフォームのようなもの。白塗りで舞台に立った後も、さっと紋付に着替えて裏方のお手伝いをしなければなりません。きもの英の洗えるきものは白粉がついても平気ですし、「そんなことをしたら汚れる」と言われる雑用も、「洗えるから大丈夫です!」ときびきび動くことができ、本当に助けられました。内弟子時代に擦り切れるほど着たブルーの紋付には、そんな思い出がいっぱい詰まっています。それから何枚つくったでしょう、今も五代目がいらっしゃる時にはきもの英の紋付で楽屋を手伝いますが、ふと修行時代を思い出しますね。
子供とのお稽古も安心
とても便利な二部式襦袢からお稽古用の小紋まで、きもの英で揃えて本当に重宝しています。昨年には文化庁のプログラムで「日本舞踊子ども教室」を開催しました。20人ずつ、3つのお稽古場をまわって教えることになり、いつも以上の大変さでしたが、そんな時にも大活躍。無事に発表の舞台へとこぎつけました。予想以上の大盛況で、日本舞踊に興味を持って続けてくれる子もいて、大きな手応えを感じました。そして、今年もチャレンジしています。
夏のお稽古の心強い味方
お稽古で汗だくになっても、すぐに洗濯機洗いできる気軽さは、夏になるとさらにありがたいですね。いくら洗濯しても傷みがほとんどないことは、紋付で実感済みですから、せっせと洗っています。しかも吊るしておくだけですぐに乾き、早いローテーションで着られるので本当に助かっています。